火星人襲来

「火星人襲来」を思い出した。
そう、オーソンウェルズのやつ。
まだラジオが人々の娯楽だった頃、オーソン・ウェルズっていうヒゲのおっさんが番組の中でドキュメンタリー形式で放送したところ、聞いてた人が本気にして大騒ぎになったって言うアレ。
今からすれば「そんなの信じる訳ねーじゃん、バカじゃねーの」って感じかも知れんけど、Twitterていう「字面だけのメディアでの真偽の薄弱さ」によってTwitterって言うモノの怖さとか脆さが見えたように思える。
ウェブって言うモノの脆弱性、って言っても良いか。
以下、そっから妄想したメモ書き。


今どきの詐欺師って言うのは周到で、例えば誰かに対して詐欺を仕掛ける前に偽のウェブページなんかを用意したりする。
騙す対象が「こんな上手い儲け話は本当だろうか?ウェブで確認しよう」と思ってそのページにアクセスすればすっかり信じてしまう、と言う次第。
買い物をするならkakaku.comAMAZONのレビューを参考にして商品を購入したり、誰が書いたとも判らない「善意の第三者の体験談」なんかのデータをベースに行動する事が往々にしてある訳だ。


こっからは妄想。
というか与太話だ。
オーソン・ウェルズの話と同じ事。


さて、例えば5人くらいの人間がいたとしよう。
それぞれが10づつアカウントを作って、それぞれが美少女の写真でフォロワーを集める。
ある程度つぶやいてまんまと引っかかる男のフォロワーを増やして行く。
数百人、数千人、数万人。
フォロミーと叫べば馳せ参じる人間は幾らでもいる。
5x10x10,000だとしようか。
Twitterのフォロワーは伝播力の強さと比例する。
で、その連中がある時に「○○の会社がヤバいらしい」とか「○○って言う政治家は脱税している」って情報を流す。
「○○ってアイドルが〜」みたいなのかも知れない。
日本語だけでなく英語でも良い。
海外からすれば「日本の事は日本人の方が詳しい」と思うから余計に信じやすいかも知れない。
アカウントは一つじゃない。
で、他のヤツが「こんなところにソースがある」とソースを提示する。
実際は数ヶ月前、数年前から周到に用意してたのかも知れない。
ウェブ上のデーターなんてどうにでもなる。
「○○社のヤツに聞いたんだが」「知り合いが○○党にいてさ」なんてのでも良い。
「実際に電話した」とか「実際に行ってみた」ってのでも良い。
画像があれば更にリアリティは増す。
Twitter上での第三者が果たして第三者的な意見として客観性を持ち得るかどうかは判らないが、少なくとも5x10人の人間が「ソースは真実だ」「噂は本当だ」と発言したらどうだろう。
株価は下がるかな。
どっかの権力が動くかな。
アイドルに傷がつくかな。


実際現実ではさんざ(マスコミが)やって来た事だが。
テレビで伝える事は本当で、ニュースの中身は本当だ。
だってそうでしょう?
ニュースがウソを言う訳無いんだから。
NHKはいつだって正しい。
Twitterの方が伝播力は強い。
ま、こんな事は誰でも思いつくし、あくまでも想像。
さすがに誰も騙されたりしないだろ。
ははは。
実際にやるには何らかの支障もあるんだろう、きっと。


藤子不二雄の漫画に「流血鬼」ってのがあってアレはパラダイムシフトを描いてたが。
周りが吸血鬼で溢れかえっても自分が人間のままでいるのは、多分、難しい。