笑神降臨:バカリズム


http://www.nhk.or.jp/syousinkorin/lineup/0518.html
眠れないのでTVをザッピングしてたらNHKバカリズムがネタをやってた。
しかもCS放送でしかやらないような長いネタ。
地上波のテレビでこれが観れるとは。。希少価値大。
バカリズムのネタってやはり基本はマイノリティなシュールネタで、ライブでは顕著なんだけども1つのネタの空気/世界観を演技だけで徐々に作り上げて行く。
説明的なセリフや判りやすい解説ではない演技。
それは勿論コンビの漫才師であれば二人の呼吸やリズムで空気を作り上げて行くところを一人でやらなければならない訳で、しかもネタの中身がシュールであればあるほどその空気を作り上げて行く事は難しいし、観客に飽きさせずに見せるのは難しい。



例えばこのニュースネタは単独ライブ「科学の進歩」の中の1ネタ。
最初ブカブカの服を着てヒゲをつけた益野が微妙に幼い喋り方でヘタクソにニュースを読み出し、徐々にその幼さが露骨になって行って、まるで小学校の終わりの会でのおちゃらけた小学生の悪のりみたいになって終了する。
ツッコミは、観客に不条理なボケを噛み砕いて伝え、共感を得る為のシステムとして便利に出来てる。
もしツッコミがいればもっと早い段階で幼さや読み方の下手さについてのツッコミを入れ、ネタを観客に「確定」させて伝えられるんだけれども、一人でやっている事によって、その状況説明をする事無く演技だけでそれを観客に伝えなければならないと言うのは技術的には一段階難しい。
最初ニュースの訂正の筈だったのがいつの間にか徐々に「チーフADの白石」を持ち出し、いつの間にかニュースよりも「チーフADの白石」の事がメインになって行く。
ニュースのキャッチ音が流れるたびに、細かく身体を動かしてみたりする小ネタ、先生に怒られるみたいにスタッフに怒られてしまいには泣きじゃくりながらニュースを読んで。。
益野の演技に、気付けば観客の笑いも後半に行くに従ってドンドン大きくなる。



このネタもそうだろう。
崖に追いつめられた犯人の話を刑事が「聞く」。
その「聞く」リアクションだけで笑いを取る。
話が長かった時にとるであろう「あるある」っていうリアクションを入れながら、愛想、退屈さを隠す仕草、適当な相づち、こっそり腕時計を見たり。。
最初は神妙に聞いていたのが徐々に飽き、露骨にリアクションが雑になって行く。



外岡の話を聞いてる益野のリアクションって崖ネタと同じじゃあ。。。
確かにオチはないんだよな、いつも。


「笑神降臨」でもサッカーの試合の審判が、「ハンド」の反則の多さにキレて子供みたいに泣きわめく「ホイッスるべきもの」や障子での影絵「WARUYONO!」をやってたんだけども、NHKにしちゃあ深夜だからって思いきったのが「野球官能小説」「歴史的官能小説」の官能小説シリーズだろうか。
野球のバットやグローブを暗喩的に言葉をすげ替えて官能小説風に読み上げる定番ネタだけども(イニシャル教師のネタなんかにも通じるところがある)NHKでこんなアブナい「あえてやる必要のないネタをあえてやる」姿勢が面白かった。


アイドリング!!!ではすっかり滝口や江渡、加藤も卒業して益野の絡む相手も減って、放送も週三回になってしまったし、ここはひとつネタの方を頑張って頂きたいなぁ、としみじみ思う次第です。
この前のRー1も優勝だと思ったのにな、あのネタ絶品だったのに。
今田も一番面白い若手でバカリズムの名前を挙げてたし、○○な話でも松本にハマってるし。

つーか、地上波の「日記」観たら一週間CS放送観なくても全然問題ないってどー言うこと?
なんかほんと週三になって味気なくなった。。
1st出す前後ぐらいのファン様が一番面白かったんじゃなかろうか。