ルネ・ラリック展 華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ

20090806114543

http://www.tokyo-np.co.jp/event/lalique/


昨日、森美術館で開催中の「アイ・ウェイウェイ展 − 何に因って?」と一緒に、国立新美術館で開催されてる「ルネ・ラリック展」も観てきた。徒歩で行ける距離なんで。
ただ個人的にはラリックよりもガレの方が圧倒的に好きだったりする。。
http://www.lemondedesarts.com/Dossiergalle.htm
自分の中でガレ=芸術家 ラリック=工場の主ってイメージがある。
ガラスのアーティストのガレと、ガラス職人のラリックって感じ。
後期に大量生産を始めて息子や自分以外のデザインチームのデザインを生産しだした辺りのイメージが強い。
そう言う意味ではドーム兄弟もそうなんだけど、ドーム兄弟の工房の方がディテールが凝ってて細かいイメージ。


「華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ」とタイトルにある通り、展示も最初は装飾品から始まる。
ルネ・ラリック モダン・ジュエリーの創始者」なんて本が出てるくらいラリックはジュエリーの世界でも有名人だそうで。
七宝や金細工、宝石をはめ込んだ細かい細工のジュエリー作品が並ぶ。
その前にたかるオバハンの会話は大体が、
「高そうねぇ」
「まー、素敵」
「綺麗ねぇ」
はい、はい。。
そーですか。
解ったから動いてくれ。


異素材の組み合わせ方の絶妙な事。
獣の角を削りだして櫛にして、その根元に七宝や金細工でアールヌーボーな曲線で描かれたモチーフが造られてる、と言った具合。
素材が違うだけで違和感が出るもんだが非常に精緻で、親和性が高い造形になってる。
ティーフはギリシャ神話的な妖精や、アールヌーボーではお馴染みのトンボ。
ニワトリやカエル、戦う二人の騎士、エジプト的なスフィンクススカラベなんてのもあった。
モチーフだからそのまま形を丸写しするんでなく、例えば白鳥の首と水かきだけハッキリと刻まれて、他は身体のラインらしきものと首のラインらしきものが混在して首から気付けば水かきに繋がっていたりするもんとかテクスチャーを貼付けたミニマルな繰り返し。
展示物は流麗な曲線と繊細な装飾のアール・ヌーヴォーから徐々にシンプルでミニマルなアール・デコに変化していく。


「硝子」と一口で言ってもプレス成形や鋳造法など様々な手法で造られてるから色々な表現があって面白い。
単色のガラスを流し込むだけで造られた壷もあれば、壷の表面を切ってそこに色の違うガラスをはめ込んだり、デザインを付けた金属の枠に内側から膨らますようにして模様付けをしたグラスなんてのもあった。
最初の方はガラスの質も気泡が入っていたりして分厚かったりするのが、後半の工場生産/食卓に並ぶようなモノになると当然薄く小さくなり装飾もシンプルになる。


ガラス製のカーマスコットがなかなか面白かったんだが、あんなもん車の先端にガラス製の飾りが付いてたら盗まれてなんぼだろー、とか思ったが考えてみれば金持ちの車は運転手がずっとついてるから盗まれる心配が無いのか。

まぁ、ともかくペースは遅いわ喋るわのオバハンもキッツイが、子供連れで来てるオッサンもキツかった。
子供がキャッキャキャッキャ言ってる。
頼むからお台場合衆国にでも行ってくれ。。
夫婦連れの老夫婦は旦那の方が壷の表面の飾りを延々説明してたり。。大した内容じゃないんだが。
説明したいんだろうなぁ、って感じ。


確かに綺麗なんだけど、アートって言うよりも綺麗な商品展示会みたいな。
そんな印象がある。
なーんだろ。
訴えて来るようなもんは無いような気がする。
まぁ、観客の層がアレだったから、ってのもあるかも知れない。
半分、人間観察みたいになってしまった。
なんだか、ちょっと勿体無い。