THE OUTSIDER/DJ SHADOW 2006


ジ・アウトサイダー/DJ Shadow


ジョッシュ・ディヴィスことDJ SHADOWの3rd。
2nd『THE PRIVATE PRESS』で魅せたサンプリングの鬼では無く、今作では『DJ SHADOW』というアーティストの、サンプラー使いだけではないミュージシャンとしての音楽性の幅の広さを見せてる。


レコードを持った子どもが遊んでるような、ダークヒーローみたいなマスクにポップアートっぽい色彩センスのジャケット。

今作では、カリフォルニアで産まれた「ハイファイ*1サウンドや、ザック・デ・ラ・ロチャ(ex.RAGE AGAINST THE MACHINE)の為に作ったと言うs9『ARTIFACT』はエレクトロでハードでパンクなインストの一曲だったり(残念ながらザックのvoは入って無い..)、元カサビアンのメンバーが参加して作られたs10『THE TIGER』なんて本家のカサビアンよりも良かったりするかも知れないくらいのクールな音。

s11『ERACE YOU』なんかを聴くと『RADIOHEADの新曲?』って思うような曲で、クオリティも素晴らしく高くて、正直エレクトロって面ではDJ SHADOWの方がRADIOHEADよりもセンスが....とか思うのはRADIOHEADファンとしては失格かも知れませんが。
まぁ以前『U.N.K.L.E.』としてトム・ヨークとも仕事をした経験もある*2DJ SHADOWだけにこう言った『KID A』『AMNESIAC』辺のRADIOHEADを思わせるようなエレクトロ/ポストロック寄りな音の作りもホントに巧いなぁ、って言う。
"Rabbit in Your Headlight" UNKLE by Jonathan Glazer

今更何を言うまでもなく名盤でしょうね、これは。
でも普通にサンプリング中心のサウンドが好きな人には今のDJ SHADOWの方向性(サマソニの際のバンド形式でのライヴパフォーマンスとか)気に入らないかも知れないけども、これだけの幅の広さとか器用さを見せつけられるとやっぱ才能あるヤツぁ違うなぁ、って感じ入るしか無い。

ヒップホップ、ハイファイ、パンク、エレクトロ、これだけ色々な音に挑戦して、そのどれもクオリティが高くってセンスも良いなんてやっぱりDJ SHADOW天才。
どーせデラックスエディションとか言って二枚組とか出そうなくらいの、後々まで『記念すべき一枚』とか言われるだろう必聴盤。

*1:エレクトロにアッパーなヒップホップを合わせた音

*2:RABBIT IN YOUR HEADLIGHT