PTU/2003 香港

深夜、犯罪が横行する雨上がりの路上で、各々の事件を追う警察チーム:組織犯罪課の刑事、特捜課のCID、そして機動隊PTU。彼らのタイムリミットは午前4時。それぞれの思惑は予想外に 絡まり合い、偶然は必然となって彼らへと襲いかかる。そして夜明けと共に事件の核心は明らかになるのだが

ジョニー・トー監督作品。

敵対する二つの組織。
片方の組織のボスの息子が殺されパワーバランスが崩れる。
拳銃を失い慌てて探し回る刑事、それを知って協力する刑事、怪しんで調べはじめる刑事。
それぞれのエピソードが進み、最終的に1つになってカタルシスが来るモジュラー形クライムサスペンス。


とはいえ、モジュラー形と呼ぶにはとてもシンプルな話で、絡み合う縦糸も横糸も絡み合うってほどでは無く、最終的に全てが収斂して盛り上がるカタルシス部分も「なぜここにコイツらが?」っていう本筋には関係無い悪いヤツが急に出て来てやり合うってのが、日本だと三池崇的と言うか、かなりツッコミどころ満載だと思う。
乱暴に言えば構造的には「用心棒」なんだけれども。


1つ1つの物語は端正に描かれているし、仲間意識から動き犯罪すれすれの手段を使って拳銃を取り返そうとする「警察の姿」って言うのも監督の意図したところなんだろうと思う。
ただ主要な悪人は残らず死んで、警察は(正義ではなく)無事に済み丸く収まって、っていう意図した描き方が感覚的に観客にしっくり来るのかと言うと。。
どうなんだろう。
犯罪者を平然と脚で蹴りリンチ状態でボッコボコにして、死にかけたら心臓マッサージ、用件が済んだら後遺症で死んで問題にならないように妙に気を使ってみたり。
なんだか昭和初期の警察を見ているみたいな、そんな感覚って言うか。
日本人には解らないその辺りの実情とかあるのかも知れない。