輪廻/2005日本



ジャケット、キモっ!
呪怨」の清水崇監督作品。
主演は優香なので劇場公開当時「王様のブランチ」の映画コーナーでバジェットの大小に関わらず率先して取り上げてた(恵の怖がり方は気持ち悪い) 記憶がある。
輪廻転生テーマで観せる映画なんだが、舞台や雰囲気は「シャイニング」後は「ゾンビ」って感じの映像造り。
でも和製でゾンビ(観念的な描写だけど)はやっぱ恐く無い。。。


個人的な考えなんだが、ホラーって言うのは「理不尽」で「理解出来ない恐怖」ってのが怖い要素だと思う。
圧倒的で逆らいようの無い理由なく理解出来ない残酷な暴力。
それによってもたらされる残忍でグロテスクな結末。
ところが、この映画の場合「この幽霊がこーいう動機でこー言う事をしようとしている」っていう全ての事情がはっきりしてて、あんまり怖く無い。
血肉が通ってる。
意図が感じられる。
知恵がある。
幽霊のくせに。
本家ゾンビでも、単に人間に襲いかかる仕掛けとしてのゾンビでしかない「ナイトオブザリビングデッド」は怖いけど、後の「ランドオブザデッド」みたいにゾンビに意識や意図が感じられると途端に怖く無くなる。
呪怨」の伽夜子は、ストーカーな訳で、あれは動機が頭で理解出来ても心理的に不可解である事に変わりはないし、ああいう「狂気が死後も継続する」って言う所にヤクザ並みの理不尽さがある。
「お前何勝手な事しとんじゃ、こっち来いや、顔貸せや!」的な。
そういう「理不尽な死」
それがホラーには必要じゃないだろうか。



ところがこの映画の場合『これこれ、こーだから、こーなって、こうしたかったんだねぇ、うんうん。あなたのやりたい事も言いたい事も解る解る』っていう微妙な起承転結がある。
....なんか、遠回しに言うとセバスチャン・ジャブリゾなんすよ。


何度も言うけど。。
そー言うんじゃなく根源的で圧倒的に理不尽で傍若無人な暴力性、そー言うのがホラーじゃないんすかね。
レザーフェース然り。ジェイソン然り、アクエリアス然り。
シュールなくらい滑稽で、理解不能な死。
悪魔のいけにえ』のレザーフェースの最後のチェーンソー・ダンスみたいな美学、そー言うのが無い。


折角、優香頑張ってるのに。
香里奈の方が女優としては出演作が多い割に優香の方が上手い。
『見切れ』って言うのは『女優霊』辺で中田秀夫が使ったのが最近Jホラーの使われ方の代表だと思うんだけども、今作ではちょっと出過ぎ、と言うか見切れ過ぎ。
そんなにはっきり出たら怖くも何ともないやんけ、ってくらい露骨に出しゃばってる。
チラリズムっていうのが見切れには大事。
パンツだって『チラッ』と見えるから『おぉっ!』ってなもんで、露骨に『見ろよ、おらっ』って出されたら興ざめ。
....でも、まぁ一応見ますが。


清水崇も「呪怨」で使えなかったような見せ方を研究したいのか、実験場なんだか、
『こーやったら怖く無い?どう?』っていう清水崇の意図が見えるだけになんとも。


サ○○○○ムの優香のシーンとかも、もっとざっくりと『こんなとこに居ますよ、ちゃんちゃん』で終わらせた方が冷たい感じがするのにそこにババアが出て来て○○放り込んで、子役が出しゃばって来るもんだからなんだかあのシーンに血肉が通っちゃったんすよね。
ホラーは物理的には血を流しても、ストーリーには血を流しちゃいけないと思うんだけども。
これだったらいっそ幽霊ものじゃ無くってサイコ物にした方が良かったんじゃないですかね。
「火刑法廷」的な。
あ、松本まりかが可愛かった。
ノロイ」出演とか、密かに「不思議ちゃん系ホラー出演女優」枠を作り上げてる。

あと「回る回る〜」ってエンディング歌は.....はぁ。