ハチワンダイバー12/柴田ヨクサル 2009

リアルなぽっちゃりメイドってすげーな
ちなみにメイド喫茶に行った事はありません。
そりゃそうだ、秋葉原にすら行った事無いんだから。


ハチワンダイバーも遂に12巻。
鬼将会地下編続き。
そよの百面指し。
そよの太りっぷりを見ると、なんだか鮎川なおを連想するのはオレだけか。。
ビミョーに太って行ってんだよな。。


今回も見所/読みどころが多くて、「キスがありましたか?」「ありましたとキスもいます」のパートが強過ぎて凛の失恋パートが弱まってしまうのは流れ上仕方無いんだけどもう少し前でも良かったかなと(理屈の上では)思う。
とはいえハチワンが勝負終わって速攻倒れてその間にそよ&澄野が地下に降りて来て、そよの勝負終了→ハチワンがそよの膝枕で目覚める訳だから凛の失恋をぶち込む場所が見当たらないのも事実。
物語って難しいなぁ。。
だから凛を生かせないまま途中持て余してしまった感じがしないでもない。


澄野はもう完全に「坂本ジュリエッタ」。
ジュリエッタは自意識の塊であって、コミュニケーション能力が欠落し、そのエゴ=実世界の強さがイコールのキャラクターであって、確かに澄野も同じく自意識(エゴ)とそれから来る意思の強さが強烈でエゴイストで適当で、しかも強い。
そのコミュニケーション能力の欠落から感情や志向の描写が表層に登って来ず、つまり「底が見えない」キャラとして機能している。
プロレスではどんなに事件が起きても「決着はリングの上で」つけるのと同じく、遊戯王で世界の運命ですら「デュエル」で決めるのと同じく地下の「独立将棋国家」では「将棋」で決着を付ける。
しかし地下の人間でない潜り込んで来た人間相手に澄野が絶対的な「暴力」であしらうのはキャラクターのパラダイムが違うからでしょう。


個人的に一番面白かったのはp183に登場する鬼将会の"谷生"
わざと崩した左右のバランス。見ると目がかなり違う。
描線もまるで「寄生獣」みたいなキャラの描線で、影のカケアミ書き込みも多い。
一番の特徴と言うとやはり黒目だろうか。
ハチワンであれ、そよであれ、澄野であれ、白目と黒目のバランスは表情や感情に応じて大小変化するが黒目の部分に光の映り込みは必ず入っているのが見て取れる。
しかし谷生の目は真っ黒で光も無い。
しかもベタで塗り潰した訳ではなくGペンかなんかでゴリゴリ潰して、所々地の色が見える塗り潰し。
夏目房之介じゃないけれど「黒目に輝く光は自意識を表現」し、それがないキャラは自意識の存在しない。。
飄々とした雰囲気を漂わせ、ヌルリと大きく、猫背で、心の奥が見えない。
澄野と谷生は同じく「底の見えなさ」があるが、「底なし」さでいえば格段に谷生の方が底が知れない。


ちなみにp201で右角の部屋のCDは前回登場時と同じTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「HIGH TIME」と「RUMBLE」