RUN SILENT,RUN DEEP/深く静かに潜航せよ 1958米

深く静かに潜航せよ [DVD]


ロバート・ワイズ監督作品。
第二次世界大戦最中、豊後水道で何隻もの潜水艦を葬って来た駆逐艦『アキカゼ』
リチャードソン海軍中佐(クラーク・ゲーブル)の乗る乗艦もアキカゼに沈められ、自身は奇跡的に助かったものの帰還したリチャードソンを待っていたのは基地でのデスクワークだった。
一年後、真珠湾に帰還した潜水艦ナーカ号の艦長は重傷を負い、その代理として人望のある副長ジム・ブレッドソー(バート・ランカスター)が順当に艦長になるかと思われたが、艦長として任命されたのはアキカゼへの復讐に燃えるリチャードソン海軍中佐だった。リチャードソンの指揮するナーカ号は、再び出航して行く事になる。

モノクロの潜水艦もの。
さすがに技術がまだまだ出来上がっていない訳で、迫力のある海戦シーン、とは行かないものの当時のアナログな潜水艦の雰囲気は出てる。
潜水艦ものと言うと名作『Uボート』とか『眼下の敵』とかあるけども、これもなかなか。
乗員に信頼の無い艦長と、信頼のある副長が対立するって図式は『レッドオクトーバーを追え』なんかでも模倣されてたりとか、密室劇ではよくあるパターンだけども結構原点かもしれない。
主役級の大スター二人を据えて、ってところはかなり凝ってる。

敵艦に正面から突っ込んで行って潜航してすぐに魚雷を発射、とか言って言うトリッキーな戦法は他の作品でも見られない珍しい戦法でなかなか面白い。
日本軍が人間では無くあくまでも『敵』としてしか描かれてないのは時代でしょう。
人間性の欠片も無い。
ただ結構まともに日本語を喋ってるのは(米国映画の日本兵の日本語てのは日系の役者さんをキャスティングするので大概変なんだけれども)珍しくはある。

まぁアメリカは敵を常に設定して自身を正義として描きたい国民だから。
こういう戦争に対して何の疑問も無い映画もありなんでしょう。
自己犠牲と勧善懲悪。
解り易い図式。
昔はインディアンで、日本軍で、ソ連で、今はテロリスト。