6+ アントワープ・ファッション展


アントワープ王立美術アカデミー ファッション学科を卒業し、今のファッションシーンを牽引するデザイナーの過去の作品、アカデミーの学生の作品、コレクションの映像なんかが展示されてる企画展「6+ アントワープ・ファッション展」を見てきました。



場所は新宿の南口からビジネス街をトボトボ歩いて行くと辿り着く東京オペラシティの三階。

閑散とした入り口で千円のチケット代を払って中に。
入ってまずは、アントワープ王立美術アカデミーでは学生に毎年課題が与えられるんだそうで、その一年生が作る「スカートとドレスと実験的な服」が目に入る。
赤い布をドレープとプリーツで複雑に絡めて、民族衣装の様でもあるし、オブジェの様でもある。
モビルアーマーの様でもあり、使徒の様でもある。
衣装、というよりも概念として布で「彫像」を作っているような印象。
そこら辺の服飾と発想のレベルが違う。
つーか、バックボーンの文化が日本人とは根本的に違うんだな、としみじみ。
ラフ・シモンズのジルサンダーが「柔らかい布で硬いものを表現しようとする」のに少し近い気がした。
他にもリボンを巻き髪のように(ドーナツ状に)巻き付けたスカートとか、ネイティブなモールドの刻まれた革でラッピングした様な衣装だったり。

その奥に行くと目に入るのはアントワープ6と呼ばれるデザイナーのコレクション。
「愛すべき」アンドゥムル・メステールの黒い衣装。
アンお馴染みのモノクロームとゆるいレイヤードスタイル。
ドリス・ヴァン・ノッテンの構築的デザインは、隙がなくって、計算したラインを出す為のカッティングが展示品として見るとよく理解出来る。
デザイナーの根っこと言うか根本的な指向はいつの時代もそんなに変わらない。

その奥は壁面に小さいモニターが幾つも取り付けられコレクションの映像なんかが流れてて、人が立ち止まってじっと見てるんだけども、個人的にはでかいモニターで見るんならまだしも定食屋のテレビみたいなサイズのモニターを覗き込む気にもならず適度に眺めつつ。アンドゥムル・メステールとかラフのコレクションなんてネットで探せば見る事だって出来るんだし。
見に来てる他の客を見るといかにも「服飾学校の生徒です」「お洒落に敏感です」「服屋で働いてます」って顔に張り付いてるような人間ばかり。
そら確かに一般の服に興味も無い人が見に来るもんではないけれども。