GHOSTWORLD/2001米

Slip inside the eye of your mind / Don't you know you might find
A better place to play
You said that you'd never been / But all the things that you've seen
Will slowly fade away

OASIS「DON'T LOOK BACK IN ANGER」

テーマは「変化」
色即是空、空即是色。
諸行は無常。


どんなものでも確実なものなんて無いし、変わらないものなんて無い。
絶対のものなんて無い。
この映画には中年男シーモアとイーニドを繋ぐアイテムとしてオールドブルースのレコードと言うものが出て来る。
ブルースは「昔ながらの変わらないものの象徴」だからこそ時代の流れに取り残され、
劇中では「新人ブルースロックバンドの前座」としてブルースの名プレイヤーが登場する場面でそれが殊更に強調されている。
レコードと言うアイテムもCD/DVDメディアが全盛の現代からすれば古式ゆかしいものだし(回転数へのこだわりもその辺か)、「80年代ダイナー」なんていうものも懐古趣味の「滑稽」な店として登場する。
つまり時代の流れに取り残され、変化を拒み、その形を今に残すものの「哀れ」が描かれているように感じる。
変化を嫌うイーニドはだからこそそう言ったものに惹かれる。


人の心も、環境も、友情も、愛も何も確実なものなんて無い。
すべてが目まぐるしく変化し、気がつけば自分だけが変わらず同じ場所に居て。
焦っても、既に遅い。。。


廃線になったバスのベンチで来ないバスを待つ老紳士。
抗うべくも無く自分の周りの何もかもが変わり、独り取り残されたと感じるイーニドは老紳士のところに辿り着く。
イーニドと同じく、時代の変化を受け入れずにいるその姿に「唯一信じられる」と思う。
しかし、その老紳士の前にすら来ない筈のバスが来る事によって「変化」を迎えてしまい、イーニドもそのベンチで「来ない筈のバス」を待ち、変化に耐えられなかったイーニドは『来ない筈のバス』に乗りどこかへ消える。
劇中で『どこかへ消えるのが夢』と語っていたその夢の通りに。


ちなみにコンビニに登場するのはRHCPのPVでもお馴染みのDave Sheridan ..タクシー運転手でアンソニーを誘拐しそうになるやつ。
ヌンチャクを振り回し、上半身裸でうろつく変人役。
でもRHCPファンってあんな感じだったりするけどもな。。。



ブシェミもいつものごとく変人役なんだけれども、今回は一応主人公が『恋する』相手だから、まだまともな役。
スカーレット・ヨハンソンが当時15才だってのは結構驚く。
お綺麗。